現役スタジオミュージシャンが教える音楽理論講座--「理論打破シリーズ」5 スケールとKeyの関係性
皆様、こんばんわ。伊東です
10月は色々とライブサポートで地方を回らせてもらいました。
移動はなかなか大変なのですが、その土地土地で色んな人と会うことも出来て、ミュージシャン冥利に尽きるなと感じています。
11月も引き続きレコーディングやライブサポートが入っているので、頑張っていこうと思います。
さて、今日は前回までで触れた「音階」について、少し理解を深めていきたいと思います。
前回までにメジャースケールとマイナースケールを説明させてもらいました。
ではこの音階の知識は何に役立つのか、何で知らないといけないのか、音階の必要性について説明させてもらおうと思います。
曲にはKeyというものが存在します。
特殊な表現方法を使った現代音楽などではKeyが存在しないものもありますが、あまり一般的ではなく、そもそも音楽理論に沿ったものとは言えないので、ここでは割愛します。
では早速問題です。 曲のKeyとは何でしょうか? ご自身の言葉で一度考えてみて下さい。
「曲のKeyってなんの事?」と質問されたら、あなたはどう答えますでしょうか?
改めて考えると以外と難しいですよね。
「曲の最初か最後に出てくるコード」や「着地感の出ている音」とか、そんな答えを良く聞きます。
そう説明してしまっている本やネットのページもあったりしますが、それは間違いです。
1曲の中に出てくるメロディー、コードを始め、全てがある一つの音階の音で出来ています。
それによって、曲中の音楽の「調性」が保たれ、心地よいと感じる音楽になります。
調性が保たれていない音楽は、聴いていてあまり気持ちのいいものではありません。
つまり、曲のKeyとは「その曲中で鳴っている音を支配している音階」という事になります。
例えばKeyがCメジャーの場合は、その曲で歌われるメロディー、コード、ハモ、楽器のフレーズなど「使われている音が基本的にCメジャースケールの中の音」という意味です。
ちなみに、曲中でKeyのスケールが変わる事を「転調」といいます。
雰囲気がガラッと変わる事を有効利用し、曲に展開感を出す方法としても使われます。
この辺はダイアトニックコードのお話の時にでも。
で、何故スケールの知識が必要なのかというお話ですが、一言でいうと
「聴いていて心地よい音楽を作る為」です。
音楽は、調性が保たれている事で成立していると言っても過言ではありません。
調性を逆手にとって、あえて転調で緊張感を出す手法もありますが、それについても転調前、転調後と、それぞれの調性が保たれてこそのテクニックになります。
実際の楽曲制作やレコーディングの時でも、僕がまず最初に気にするのは「曲のKey」です。Keyが何かを探り、そこから組み立てていく形になります。Keyの把握をする事により、コード進行上の肝になる部分や、効果的な音使い、バッキングやオブリで使う音の選択やフレージングが決まってくると思います。
歌メロ、楽器のフレーズ、コード付け、全ての事が楽曲のKeyとなるスケールで決まってきます。
ですので、まずしっかりとスケールを理解していきましょう。
次回は、スケールのインターバルと指板の関係性について書きたいと思います。
宜しくお願いします。
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